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若手研究者の声

つながり(国立感染症研究所・感染病理部 ・小山貴芳)

2013年5月8日

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国立国際医療研究センター研究所・難治性疾患研究部(平成18年4月~)
国立感染症研究所・感染病理部(平成24年4月~)

小山貴芳

会社に社風があるように、研究所にもそれぞれの雰囲気があります。国際医療研究センター研究所は「つながりの強さ」。これが私のイメージです。

 

当研究所では、毎年夏に箱根山リトリートという若手の研究発表会が行われ、ポスドク1~3年目の若手研究員が中心となって企画、運営そして発表を行います。なお部室長の先生方は、運営には口を出さず、打ち上げの差し入れを出してくれます。発表内容は、感染症、糖尿病・代謝性疾患、肝炎・免疫疾患を主なテーマとして基礎から臨床研究まで多岐に渡ります。発表者の中から投票により上位3名が表彰され、毎年のようにその中から超一流雑誌に掲載される論文が生まれています。受賞すると簡単なスピーチを行わなければならないので、私も毎年何を言おうかと直前になって焦っていましたが、幸か不幸かスピーチをせずに済みました。そして朝から夕方まで続く研究発表が終わると、待ちに待った打ち上げがあります。そこでお酒の力も借りて他の研究部の方とお話しをし、そして毎回のように自然と2次会、3次会が行われます。私の場合は4月から働き始めましたので、リトリートがあった8月には研究所生活にも随分慣れてきた頃であり、そのタイミングでリトリートの運営や打ち上げなどを通じて、他の研究部の先生方や同世代の研究者の方々と知り合いになれたのは、その後の研究生活を豊かにしてくれるものでした。

 

また、当研究所では医薬会セミナーという外部の先生方をお招きしてご発表して頂くセミナーが頻繁に行われます。当研究所には著名な先生方が多くいらっしゃるので、そのつながりから各分野のいわゆる大物の先生方の発表を聞くことができます。今までの医薬会セミナーで最も印象深かったのは、iPS細胞の山中伸弥先生でした。ご来所頂いたのは、iPS細胞の最初の論文が出て半年ほど経った頃です。その時のお話ではiPS細胞樹立までのストーリーを分かりやすくご説明して頂いただけでなく、これから投稿する予定の研究内容まで惜しげもなくお話しして頂きました。このご発表を通じて、論文を読むだけでは分からない研究の面白さ、難しさ、あるいは醍醐味を教えて頂き、とても興奮したのを今でも覚えています。

 

所内の若手研究者は部室長の先生方との交流が盛んであり、お互いに顔なじみであることから、リトリートや医薬会セミナーなどでは、若手研究者が積極的に議論に参加しています。このような空気に刺激され、私は国内外の学会に多く参加しました。なかでも最も印象に残っているのは、ドイツでの日独エイズセミナーです。初めての英語での口頭発表ということで、今となってはほろ苦い思い出ではありますが、同年代の研究者の積極的な姿勢を間近に見ることで、一歩足を踏み出すことができました(写真)。

 

研究こそ、まさに過去からの積み重ねの賜物であり、つながりなくしては成し得ません。これまでは、研究=孤独という印象を持っていましたが、当研究所で働くことによって研究におけるつながりの大切さを学びました。そして、ここで知り合った友人や先生方とのつながりを大切にし、今後の研究者人生におけるかけがえのない宝物にしたいと思います。

 


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